なぜ、これが傑作なの?
ちょっと変わったタイトルの展覧会に行ってみた。
ブリヂストン美術館
コレクション展示:なぜ、これが傑作なの?
2011年1月4日〜4月16日
ブリヂストン美術館所蔵の作品から、選りすぐりの12点を並べ、他の所蔵150点と合わせて、作品が傑作と呼ばれるゆえん、傑作とは何かを問うもの。
作品に大切に敷かれた綺麗な色の布のようなパネルと、少し長めの解説文が特徴。
しかし、長めの解説といっても、事実をつらつらと書いただけで、これが傑作とのような説明は無し。
傑作を決めるのはあなた自身、なのだ。
目に入った瞬間、ふわーっと包まれる空気があったのは、モネのベネチア黄昏。
68歳のモネが奥さんと旅行に行ったベネチアでの風景。
黄昏の空一面のグラデーションと、運河に映るグラデーションが、なんかもう胸に迫る。夕陽を見るだけで胸がいっぱいになる気持ちと、運河の霧のような空気の粒一つ一つが染まって行く感覚に包まれる。
近くにはモネの他の作品もあるので比べられる。68歳のモネがベネチアでいかに心が動いたのか、伝わってくるような作品。
傑作とは何か、答のない問いだけど、自分の気にいったものが見つかればいいだけのことなのだ。